志村貴子『放浪息子(10)』

放浪息子(10) (ビームコミックス)

放浪息子(10) (ビームコミックス)

早いものでもう10巻ですが、
いきなりここから読み始めても面白い、
「人間形成決定期」モノの名作。


10巻の実質的な"主役"は土居くん→!
「THE いじめっ子」として登場以来、
主人公たちの「外側」の存在として
長いあいだ脇役を務めてきましたが、
8巻あたりから急激に台頭してきましたね。


「なんとなーく気になる」存在だから、
ちょっと話しかけてみよう……と思って
ついつい<自分の流儀>でアプローチしたら、
それは相手にとっては「いやがらせ」だった…
という「いじめっ子」タイプの宿命的なせつなさが、
92〜93ページの二鳥くん反撃後のこの表情↑に
見事に描かれていました。
「いじめっ子」的立場にある子のこういう内面って、
今まであまり描かれてこなかったんじゃないでしょうか。
土居くんの「(いじめっ子流)コミュニケーションの軌跡」として
シリーズを読み直すと、また新たな発見が??


そういえば土居くん、小学校時代にも
千葉さんの「キツい一言」で傷ついてたなあ……。
彼も"姉持つ弟"だし、それなりにナイーブなんだと再認識。
親近感が沸くキャラクターです(苦笑)