戦場でワルツを


日本版予告 http://www.youtube.com/watch?v=ECPTCay6Ro4


ようやく拝見しました。
技法的には、「MANGA」のない国のアニメーション映画として、
"動くバンド・デシネ"みたいな独特の味わいが面白かったです。
オープニングの犬の横走りからして、
うーん、アングルにもうひと工夫あっても…?とも思ったけど、
「現在」と「夢」の場面は、意図的にヘタにしている要素もあるんですね。
「過去」の戦闘場面はバリバリにアクション演出してますから。


「現在」の会話のドキュメンタリー的な狙いとともに、
人物の背景に置かれたモノが、妙に居心地の悪さを作っていたりする、
<悪夢のように明るい>絵柄がじわじわと効いてくるみたいな
面白さがありますね。
一方で、「過去」の戦争を<愚かな喜劇>として語る姿勢も、
岡本喜八イズムと通じる気がして(?)グッとひき込まれました。
題名通りにワルツを踊るところでは泣き笑いしちゃいましたよ。


ただし、あの終わりかたには大きな疑問符が。
<明るい悪夢>を見た作者、<愚かな喜劇>の中にいた作者は
どこに行っちゃったんでしょう。


最近のガンDムとか、能書きは立派だったSカイ・クロラとかより
ずーっとオススメしたい「戦争アニメ(もちろん高橋良輔派!)」
になったと思うのに、そこがちょっと残念かもです。


▽この番組も思い出しちゃいました(チャンネル桜さんも推薦)


アリ・フォルマン監督といえばこれも(大好き!)

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