『色彩の記憶』

2月7日(土)〜15日(日) ※9日は休館
恵比寿ガーデンプレイス東京都写真美術館ホールで公開
http://coloring-life.seesaa.net/
▽予告編


去年のゆふいん文化・記録映画祭 公式HP「松川賞」入選作が
三部構成・70分の長編版となって登場。
日本の女性のヘアカラーについて語る二人の美容師さん、
西陣織で源氏物語絵巻を紡ぐ山口伊太郎さん(2007年に105歳で逝去!)、
そして有田焼の白磁を活かした赤色「辰砂(しんしゃ)」に取り組む
馬場真右ェ門さん…三つの世界のエキスパートが、
色彩について、仕事について語る作品。
元々は美容メーカーがクライアントのプロモーション作品だそうですが、
どこまで「映画」として飛躍できるかにチャレンジした
御法川修監督をはじめ制作陣の熱気が功を奏して、
とても気持ちのよい作品になっていました。
特に「辰砂」編は、次にどんなカットが来るかワクワクしてくる快作!
撮影も東京=小林元さん、京都=芦澤明子さん、有田=池田俊己さん*1による
競作形式になっていて、それぞれの作風が楽しめます。
冒頭に引用されるゲーテの「色彩論」が示す通り、
日本の色彩を楽しむ娯楽…いや「色楽」ドキュメンタリーです。
文学的な映画に対する「図鑑のような映画」があってもいいじゃないか!
と昨今思っている短篇調査団としては、一見をオススメしますですハイ。
「何を描くか」とともに「どう描くか」について関心ある方にも推薦!


色彩論 (ちくま学芸文庫)

色彩論 (ちくま学芸文庫)

*1:関西を拠点に映画やTVで活躍されています。田中徳三監督の遺作『少年河内音頭取り物語』も担当。またの名を剣崎譲さん。