島田虎之介『ダニー・ボーイ』
- 作者: 島田虎之介
- 出版社/メーカー: 青林工藝舎
- 発売日: 2009/08/10
- メディア: コミック
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今回は「幻のミュージカルスター」を巡る偽史…ということで
ホラにもますます磨きがかかってます!
「1976年のトニー賞候補になった『極東組曲』」
(敗戦と戦後民主主義の到来を"わざわざ"ミュージカル化した
「敗北を抱きしめて」みたいに素敵なストーリー)は
「当時のNET(現在のテレビ朝日)から深夜に中継放送された」……
と言い切られてしまうと、もうホントにあったことに思えちゃいます。
こうしてでっかく広げられた風呂敷の中身は、
「彼」と出会った(すれ違った)様々な人々の思い出話から
戦後60年の「時代の片隅」が切り取られていく展開なので、
一度ならず二度、三度読むと「あっ、そうか!」という発見が続出。
なんとまあ濃厚な一冊。これから四回目に突入します(笑)
全9話にそれぞれテーマ曲的なサブタイトルがついているのですが、
先日、或る方の感想で「Youtubeで曲を聴きながら読んだ」とあって
なるほど!と思って「勝手にサントラ」を作ることにしました。
特に第二話の「Cheek to Cheek」では、
フレッド・アステアの「♪I'm in Heaven…」という歌詞があると
32ページの「満鉄の社員」さんの
ああ、これは 天国の… いや、「王道楽土」の歌だよ
というセリフがいっそう味わい深くなりましたよ!
「勝手にサントラ」案 by 4310
▽第一話「Come Sunday」
幻のミュージカルスター、サチオ・イトーの登場。
シマトラ先生ご本人のナレーションのBGMにはDuke Ellingtonを。
▽第二話「Cheek to Cheek」
サチオをとりあげた助産師・ツネ先生の満州回想。
Fred Astaireおじさんの「心地の良い悪夢」のような歌声(笑)