2015年・動画この10本(+10本)

shimizu43102015-12-30

今年見て面白かった動画をメモしておきます。
(去年はこちら⇒2014年・動画この10本 - 4310

1.滑川総合高校 馬場優治選手(3年夏)(2015)

7月23日、上尾市民球場で行われた埼玉県予選5回戦(対埼玉栄戦)に代打で登場した馬場選手。ネット社会のせいで幸か不幸か世界的にその名を轟かせたわけですが、人にはいろんな「集中の仕方」があるし、彼の場合はバットを回し続けたり海老ぞったり「秘打・白鳥の湖」のポーズを決めたりしてると無心になれるんじゃないかと思います。まさに生ける水島マンガ。

2.アイドルネッサンス『17才』(2014)

21世紀の躍進するお嬢さん芸(←「自転車キンクリート」をご存じない方には意味不明ですが)。間奏部分の人間パラパラマンガみたいな振り付けが最高。体育館の直線的なデザインを生かした映像も素晴らしいですね。

3.秋山理央さんの週末デモ動画(7.20若者デモin熊本)(2015)

毎週土日祝に日本全国の様々なデモ行進(&ヘイトスピーチへのカウンター行動)を記録し続けている、「ビデオ忍者」こと秋山さんの動画シリーズ。特に6月以降、安保法案反対デモが関西・九州・北海道・東北…と、これまで「政治」に縁のなさそうだった都市にまで広がり、団体系の「お馴染みのデモ」とは違う、デモ初体験と思しき人たちが続々と列に連なっていく様子をしっかりと実況報告してくださった功績は大きいと思います(これとは逆に、NHKニュースが“中立”を装うために報じていた「安保法案に賛成する人たちの集会」の映像はヒドいなーと思いました)。熊本のトランペットや秋田の和太鼓など、鳴り物チョイスに表れる都市ごとの個性も味わい深いです。また、多くの経験を積まれているから撮影が本当に上手なんですよね。路地裏からスーっと出てきてデモ隊に合流するショットは「理央移動」とお呼びしたい必殺技です。

4.ムーディー長妻『おまえあってのこの俺さ』(2013)

房総半島が生んだ大型新人、クリアなお声がステキなムーディーさん。歌も素晴らしいのですが、ビデオがもうカルト級の傑作。なぜかお通夜の場面で始まったと思ったら、遺影写真がなんかコワい……。そして3:15からのJホラーな衝撃!震えて笑ってしまいました。

5.トルコのスター・ウォーズ(Dünyayı Kurtaran Adam)(1982)

新作鑑賞前の予習にオススメします。音声なしで見た方が、ストーリーを理解できる気もします(^O^)

6.矢野号メトロノームコント お葬式』(2013)

やだなあ、ホントのお葬式の時に思い出しちゃうじゃないですか。

7.SEALDS『やつらを通すな』(2015)

7月17日(金)22:50@国会前。迫力のシャウトを聞かせてくれているのは福田和香子さんですよね。彼女が中学時代に「君が代不起立」の根津公子先生を目撃していたというお話は今年最大級の深イイ話でした。
声を上げること〜福田和香子さんと根津公子さんの出会い

8.Yamasuki『Yamasuki's』(1971)

70年代のフランスでなぜか生まれた日本語ソング(涅槃系)。大阪万博かなにかで来日されて、当時の深夜テレビでもご覧になったんでしょうか。

9.ジム・オルーク『新・平成演歌塾』(2011)

無敵の出オチ。

10.全国こども科学映像祭『空気砲と僕の七年間』(2009)
文部科学大臣賞(中学生部門)受賞作。服部篤彦さんが「8歳の頃から研究してきた」と仰る空気砲テクが凄い!段ボール箱から飛び出す渦輪のアクションに見とれます。家族全員で映像制作しているのもイイ!

11.レイバーネットTV 第90号「NHKはアベチャンネルか?」(2015)
クローズアップ現代」も担当されたNさんのご出演で、超一級のバクロ番組に。ゲストのお三方が、それぞれ別種の怒りを放射している(そして混じり合っていない)のも、自由放送ならではの面白さだと思います。

12.長崎創成館高校『仁義なき戦い』(2015)

こういう応援を待ってました。「ブラスバンドでわざわざこの曲を!」というシリーズ企画を、どこかの番組でやっていただきたいです。

13.三戸なつめ『前髪切りすぎた』ダルマ篇(2015)

天才・伊勢田勝行氏のアニメ版も含めて11タイプもあるオムニバス企画。仕掛け人(クリエイティブディレクター)は「文の里商店街ポスター総選挙」などで知られる電通関西の日下慶太氏。中でもこの「ダルマ篇」(監督:コタケマン)の《ありがた迷惑》感は貴重だと思います。

14.Cambodian Space Project『朝日のあたる家』(2010)

あまりのカッコよさに泣き笑いしました(^O^) カンボジアン・スペース・プロジェクト、ドキュメンタリー映画もできたそうなので見たくてたまりません。

15.CRAYON POP『Uh-Ee』(2014)

東アジアの村祭りかくし芸大会、あるいは女子校の創作ダンスを連想してしまいました。しかし何ですかこの衣裳は……(「修行するぞ」系の呪文にも見えます)。ももクロさん以上に「オシャレをかなぐり捨ててる」感じがたまりません。

16.AV大久保『我的一张大字报(私の大字報)』(2008)

30年後に突如中国で甦った原宿ピテカントロプス(嘘です)。

17.DJみそしるとMCごはん『ジャスタジスイ』(2015)

「21世紀ののっぽさん」ことみそごはんさん(愛称・おみそはん)。手作り特撮が歌の世界にぴったり合ってます。

18.南三陸ホテル観洋CM(1980年代)

三陸ならではのアワビの起用法……(赤面)。ここに一度泊まったことありますけど、ホントはエリア随一の立派なホテルであることを力説しておきます。

19.Googleヘディ・ラマーさん生誕101年記念動画』(2015)

オーストリア出身のハリウッド女優で、携帯電話・無線LANの元となる技術を作り出した発明家でもあるヘディ・ラマーさんのお誕生日(11月9日)記念動画。潜水艦の無線信号と音楽がシンクロするところがカッコいい!

20.東海テレビ 公共キャンペーンスポット「戦争を、考えつづける。」(2015)

今年のACC(全日本シーエム放送連盟)グランプリ受賞作。コピーの都築徹氏、Pの土方宏史氏、演出の清水淳之介氏、撮影の中根芳樹氏は去年の「震災から3年〜伝えつづける」も担当。土方氏と中根氏は「ホームレス理事長」の監督&撮影。YouTubeで公開されているのは10タイプ・全345秒。
1「戦争から逃げない、と彼女は言った。」30”
2「認知症が奪えない記憶がある。」30”
3「話したくないのは、戦争をはっきり覚えているから。」30”
4「偏っているのは、テレビか、彼らか。」30”
5「戦争の話になると、祖母の声が大きくなった。」30”
6「戦後70年目の、日本の風景です。」45”(「憎しみが、ぶつかり合っている。」)
7「平和な日本が生んだ「遊び」です。」30”
8「自己実現のために、シリア戦争に参加した。」30”
9「考えて、考えて、考えて、考えて、考えて、考えた。」45”
10「あなたにとって、戦争とは?」45”
…6・9・10の3タイプが45秒というのは、自局のキャンペーンスポットならではの特例だと思います。
ACCグランプリの対象は1・3・4・5・6・7・8・10の8本で270秒。
http://www.acc-cm.or.jp/festival/2015fes_result/film-a.html
シリーズとして作った結果、4(偏っているのは、テレビか、彼らか)や7(平和な日本が生んだ「遊び」です)が良い問題提起になった気も。
両論併記という「お約束」(=安全弁になる) も敢えて使ってみせる、このクライアントの「確信犯」ぶりはACCグランプリ(映画の世界で言えばキネ旬1位)にふさわしいと思いました。
コピーライター・都築徹氏が「異色クライアント」との仕事を振り返るコラム『報道部という衝撃』(東京コピーライターズクラブ 2014年)
http://www.tcc.gr.jp/relay_column/show/id/3688
広告屋さんと報道屋さんの貴重な共同作業。東海テレビファンには「H記者ってあの人だな」という楽しみも。