短篇調査団(104) 都の巻

通算400本記念・住めば都の5本立(計126分)
2010年10月29日(金) 19:30〜21:45
『東京100年』1968年/60分/監督:富沢幸男ほか/脚本:谷川俊太郎ほか
『都営住宅』1960年頃/13分/制作:東京都映画協会
『住所不明―変る住居の表わし方』1963年頃/13分/制作:東京都映画協会
『不良住宅の建替』1965年頃/14分/制作:東京都映画協会
『東京1969―繁栄その表裏』1970年/26分/監督:大峰晴
http://d.hatena.ne.jp/tancho/


ご来場ありがとうございました。
ちょうど400本目にあたることもあってあれこれ盛り込んだ結果、
おそらくこれまでで最長の上映時間おつかれさまでした。
(開始直前に映写機トラブルもあって焦りました……)
スポンサーとしての東京都の存在を考えた場合、
谷川俊太郎・林光・粟津潔ら気鋭のクリエーターたちの協力を得て
富沢幸男×大沼鉄郎コンビ(『’¹b‹Y‰æ』の「七人の会」メンバー)が綴った
歴史シネエッセイ長編『東京100年』と、
美濃部都政時代のアナーキーな雰囲気がストレートに出ちゃっている(苦笑)
『東京1969』の「言いっぱなし」な展開*1が特に印象に残りました。
一方で「東京都広報番組」としての役割をきっちり果たす
『都営住宅』『住所不明』『不良住宅の建替』の三本も、
その時代ならではの都庁のスタンスが映っていて面白かったですね。


『東京100年』には時代ごとの証言者が登場するんですけど、
明治・大正の学生気質について金子光晴さんが語る
「学生をダメにするのは文学・恋愛・結核社会主義の四つと言われていました」
敗戦後の焼跡での生活について、児童文学者の佐野美津男さんが語る
「住みやすい、でも生きにくい、そして毎日自分が試されて面白いところでした」
といった至言が巧みに構成されているのも良かったです。
関東大震災のパートで千田是也さんが芸名の由来を語るくだりも!)

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*1:今ならお役所としてムセキニンと言われるかも…