♯8 中山千夏さん

名優！名歌手！そして作詞家！
文字通りの才女、千夏さん。
サユリスト・コマキストと並んで
「チナチスト（http://www12.plala.or.jp/chinachist/）」
もいらっしゃるんだそうで、
だったら私もチナチストになりますハイ！
遅れてきた世代のチナチストなので、
第一印象は革新自由連合とじゃりン子チエなんですけど、
調べてみたらあの曲も！この曲も！
千夏さんの作詞だったと知って驚きました。

♯7 久世光彦さん

多才！多忙！多作！の久世さん。
その仕事の全貌は久世光彦 - Wikipediaで確認していただくとして、
ワタクシ的には『ムー一族』(1978)と『あとは寝るだけ』(1983)が大好きです。
作詞家としても、小谷夏、市川睦月、林紫乃のペンネームで
『ひとりじゃないの』『無言坂』をはじめとする多くの作品がありますが、

1.『時間ですよ』など自作ドラマの挿入歌を手掛ける
　　　　　　↓
2.その出演者にオリジナルの詞を提供
　　　　　　↓
3.やがて「作詞家」としても独自に活動

……という具合に、だんだん作詞家活動が本格的になっていったようですね。
面白いのは、そもそもドラマで「メロドラマや演歌ってこんな世界ですよね？」
という描き方でコメディにしていたのが、
"研究"していくうちにだんだん「専門家」になっていって、
『矢車日記』や『北の駅』、そして『無言坂』のような名曲に
つながったんじゃないか……と思えるところですね。
生来の"趣味"が昂じて、立派な"仕事"に育っていくようなところが、
久世さんや実相寺昭雄さん、今野勉さんといった
「TBS出身多芸クリエイター」になぜか共通しているような気もします。

♯6 楳図かずおさん

日本一若々しい73歳（9月で74歳）の楳図先生。
漫画家さんが自作の映像化に際して
主題歌を作詞する…というのは珍しくないですが、
楳図先生の場合、全然関係ないところでも
詞や曲を提供されているのがステキです！

▽1975年

へび少女（作曲：楳図かずお）　歌：楳図かずお

♪人など好きになったから　おまえ今日からへび少女
　人など好きになったから　おまえ今日からおとなだよ
　誰も心に蛇を一匹飼っていて　そいつが目を覚ます
　何も知らずにいればよかった　呪う心も知らずにすんだのに
　お前今日からひとりだよ
　川を渡っていくのかよ　たった独りで行くのかよ
　せめてお守り持ってけよ

原作者ならではの名曲。

スーパー★ポリス（作曲：楳図かずお）　歌：楳図かずお
http://www.youtube.com/watch?v=9LnN9N63DYE

うしろを見るな！（作曲：楳図かずお）　※インスト
http://www.youtube.com/watch?v=TwxO3ZSDDro

ここまではまあ、音楽好きの漫画家先生のパターンですが…

♯5 島田陽子さん

もうすぐ（13:35から）NHKアーカイブスで
日本万国博特集やるらしいので
この曲を……。

世界の国からこんにちは（作曲：中村八大）　歌：三波春夫

♪こんにちは（こんにちは）西のくにから
　こんにちは（こんにちは）東のくにから

この歌詞、公募だったんですね。
応募総数13,000通余りの中から選ばれたのが、
大阪在住の詩人・島田陽子さんの作品だったと……初めて知りました！
（参考：asahi.com：生と死と望郷重ねて - ニッポン人脈記）

島田さんの作品を検索してみますと……あったあった。

「大阪ことばあそびうた」
http://blogs.yahoo.co.jp/wakame338/29933855.html

「うち知ってんねん」
http://www16.ocn.ne.jp/~ondoku/gr4utisittenen.html

「いけずかぞえうた」
汝の隣人のブログを愛せよ | LOVELOG

「へんなうた」
島田陽子さんの「へんなうた」 ( 大阪府 ) - ゆうてみよかな - Yahoo!ブログ

「ゆれる花」「いやなこと」「いうやんか」「かごめかごめ」
http://www.shigaku.or.jp/hanapoem/00.5.11.htm

ありふれているようでいて、実に深い洞察力！

こんな作品もありました！

幼なじみでおないどし（作曲：泰久長）　歌：海原千里・万里
DiscLEGEND Record,LaserDisc,CD,DVD... etc
♪私とブランコとりあって けんかした日も あったわね
　高校時代はライバルで ノートを借りたり 借られたり
　幼なじみでおないどし いつから恋になったのかしら
♪私の星座はおうし座で 彼はおとめ座 いいコンビ
　一緒にいたくて 会いたくて 別れがせつない デ―トなの
　幼なじみでおないどし くちづけした日 忘れはしない
♪（るっとぅとぅる るるるるぅ るるるる る〜
　　るっとぅとぅる るるるるぅ るるるる る〜）
　いろんなことがあったけど 離れられない 私たち
　幼なじみでおないどし かわらぬ愛に 結ばれたいわ

＜大阪市営地下鉄開通50周年記念ソング＞
地底のランナー（作曲：キダ・タロー）　歌：芹洋子

♪闇のなかから 目をひからせて
　足音かるく やってくる
　ゴー ゴー 地下鉄　地底のランナー
　たのもしいから好き　はやいから好き
　どこへ行くのも だれに会うのも
　大阪むすめは 今日も地下鉄
　（るるるん ルンルン〜
　　ちゅ ちゅ ちゅ〜 ちゅ ちゅ ちゅ〜）
♪闇をみつめて 街から街へ
　疲れを知らぬ 足どりよ
　ゴー ゴー 地下鉄　地底のランナー
　たくましいから好き はやいから好き
　仕事するにも デ―トするにも
　大阪むすめは 今日も地下鉄
　（るるるん ルンルン〜）
　　ちゅ ちゅ ちゅ〜 ちゅ ちゅ ちゅ〜）

詩集も探してみようっと。

共犯者たち―島田陽子詩集 (1982年)

うち知ってんねん―島田陽子詩集

かさなりあって―島田陽子詩集 (詩を読もう!)

新編 島田陽子詩集 (新・日本現代詩文庫)

方言詩の世界―ことば遊びを中心に

帯に恨みは―島田陽子詩集

大阪ことばあそびうた

わたしが失ったのは―島田陽子詩集

♯4 浜口庫之助さん

「日本のセルジュ・ゲンズブール(by木村立哉氏)」
ことハマクラせんせい*1。
1990年代以降はもっぱらラテン系の
「おしゃれな作曲家」として再評価されてきましたけど、
『僕は泣いちっち』『花と小父さん』『夜霧よ今夜もありがとう』
『みんな夢の中』など、作詞もご自身で手掛けられた代表作における、
花や熱帯魚や貝やチョコレートに恋したり霧に感謝したりといった
独特の「ハマクラリリック」も、
せんせいが大正ど真ん中世代ということや
敗戦後ジャワ島で捕虜を経験されたことなどを知ると
戦中派日本男子ならではのセンチメンタリズムが、より深く味わえます！
あゝ有難や有難や。

▽不完全版作品リスト

*1:子どもの頃「スター千一夜」で見たハマクラ先生一家が面白かったですねー。お嬢さんが思いっきりはしゃいでいて、番組全体を乗っ取っちゃったという微笑ましい記憶が。

♯3 岸田衿子さん

岸田國士さんのご長女で、
岸田今日子さんのお姉さんで、
谷川俊太郎さんと田村隆一さんの元奥様(！)……
といったことはむしろ後で知ったくらいでして、
私たちの世代にとっては、
ハイジ→フラ犬→ラスカル→アンと続く
「カルピス劇場（後の世界名作劇場）」の作詞の方！
という印象がやっぱり強いですね。
個人的には、"理想郷ソングの金字塔"として忘れ難い
「みんなのうた」の『だれもいそがない村』(1978)の作詞も
岸田衿子さんだったと後で知って、あらためて尊敬しました。

■だれもいそがない村（作曲：寺島尚彦）
♪北のだいじん 南のしゅうちょう 一日おきに けんかするって
　ほんとで･す･か ほんとで･す･か ほんとで･す･か〜
だれもいそがない村

■かぜと木（作曲：黒澤吉徳）
♪くるみの木は 輪を描きながら ゆれている
　くりの木は 笑いが止まらないように ゆれている
　しらかばは 古いワルツを おどっている
　おんなじかぜが ふいているのに
かぜと木

■おしえて（作曲：渡辺岳夫）
■まっててごらん（作曲：渡辺岳夫）
♪もしも ちいさな あしおとが きこえたら
　まっててごらん ほら あのこが かけてくる

■よあけのみち（作曲：渡辺岳夫）
♪La La La〜 La La La〜
　Zingen Zingen Kleine Vlinders（うたえ うたえ ちいさな蝶々）
　La La La〜 La La La〜 Zingen Vlinders La〜 La

■どこまでもあるこうね（作曲：渡辺岳夫）

■ロックリバー（作曲：渡辺岳夫）
■おいでラスカル（作曲：渡辺岳夫）
♪きみはうれしそうに なみとあそんだ いけゆりの はなをゆらして

■きこえるかしら（作曲：三善晃）
■さめない夢（作曲：三善晃）
♪はしっても はしっても おわらない はなのなみ
　みずうみはとおく もえるくもは もっととおく
　はなのなかで いちにちはおわる さめない ゆめみたいに

■よんでいる（作曲：宇野誠一郎）
♪よんでいる よんでいるよ
　りんごのき ひのひかり こうまのたてがみ
　かぜのなかから こだまのように
　よんでいる とびらをあけると

たいせつな一日―岸田衿子詩集 (詩と歩こう)

かばくん (こどものとも絵本)

あかいふうせん (いわさきちひろの絵本)

ゆきむすめ―ロシアの民話

ふたりの山小屋だより (文春文庫)

♯2 谷川俊太郎さん

ご存じ谷川せんせい。
「ららら科学の子」とか「だれもしらない」とか
広辞苑に載せていただきたい名作連発の巨人ですが、
なのに作風はどこまでも「軽い」のがステキです。

アメリカでは（作曲：黛敏郎）
♪アメリカへ行けば 顔を洗うにもコカ・コーラ！

モッカラ・ゴーゴー（作曲：佐藤勝）
♪ヤムヤムヤムヤム……（歌詞書き取れません）

若くて、悪くて、凄いこいつら（作曲：六条陸こと黛敏郎）
♪１あわ吹かせろ ２くい奴ら ３ざんいいこと ４やがって
　５つくばりの ６でなし ７めんどうだ ８っとばせ
　９せになるから 10っちめろ！

ごあいさつ（作曲：高田渡）

たかをくくろうか（作曲：坂本龍一）

かぞえうた（作曲：三善晃）
♪……マルヤマさん？（←最後は指揮者や伴奏者の名前を入れるそうです）

なんでもおまんこ
参照：谷川俊太郎／ポエトリージャパン

谷川俊太郎詩選集 3 (集英社文庫)

ひとくいどじんのサムサム（作曲：林光）
♪ひとくいどじんのサムサム
　おなかがすいて となりへゆく
　ともだちのカムカムを たべる
　ふたくちたべたら もうおしまい
　ひとくいどじんのサムサム ひとりぼっち

俺たちの朝（作曲：小室等）
♪答を知らぬきみに できるのはただ
明けてゆく青空に 問いかけること

風が息をしている（作曲：菊池俊輔）

死んだ男の残したものは（作曲：武満徹）
♪しんだこどもの のこしたものは
　ねじれたあしと かわいたなみだ
　ほかにはなにも のこさなかった
　おもいでひとつ のこさなかった

いま生きているということ（作曲：小室等）

（たくさんありすぎるので「つづく」）